お見合い 宏太朗 Ver

裏話

ある水曜日の２０時。

仕事の帰り、病院の駐車場で車のエンジンを掛けていたら、梓がいきなり助手席に乗り込んできた。

飯に行こうと誘われ、誘導されるまま車を走らせれば、そこは小倉の表札を飾った立派な一軒家だった。

小倉って、俊介の家か。

「なぁ、宏太朗来週の月曜休みだったよな？」
「月曜？そうだった？」
「お前自分の休みも把握してないの？」

って言われてもいつぶりの休み？って感じだし、休みであっても確実に休めるのかは微妙なところだったりする。

と言うか何故ここに来たのかがわからない。
主の俊介は何かパソコンで作業をしていたり、部屋から出て行ったりと忙しそうで会話に入ろうともしない。

「ちょっと空けといてくんね？」
「別に良いけど、休みなのかはわかんないからな」
「休みだよ、絶対」

・・・一体何だ？