お見合い 宏太朗 Ver
「お前のその柔順さや一歩引いてるところは梢ちゃんとよく似てる。あの二人もそれはよくわかってると思うぞ。自分たちのいなところで梢ちゃんと誰かを初対面させるなんて今まで無かったからな。よほど信頼されてるな」

これは・・・誉められているのかプレッシャーを掛けられているのか微妙なところだよな?

「その信頼、裏切るなよ」

プレッシャーでしたか・・・。

「多分、大丈夫です」

そう曖昧に答えた俺を、小父さんは笑った。

「それだよ、それ」
「・・・『それ?』ですか?」
「そこで『多分』を使うあたりが梢ちゃんと似てるんだ」

案に男らしくないと・・・。

「あまり緊張を出すなよ。彼女が引いてしまうからな」

そんな、あの二人と同じような事を告げた小父さんは、此方の準備も待たずに先へと進んだ。

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