お見合い 宏太朗 Ver
先日会った玲子さんの隣にいたのは、パステルピンクのパーティードレスを着た女の子。

この子が関村梢。

「お待たせしました」

小父さんがそう声をかければ、二人が静かに立ち上がる。
その瞬間揺れた二連のパールのネックレスが彼女にとても似合っていた。

想像していたような、弱弱しい感じはなく、むしろ芯の強そうな印象を受ける。

「梢ちゃん、久しぶりだね」
「ご無沙汰しています」

綺麗に会釈をした彼女からは、あいつら同様育ちの良さを感じた。

「紹介しよう。篠塚 宏太郎君だ。宏太郎君、こちら関村梢さんだ」

『常に自然な笑顔でいる事』
『ニヤじゃなくて、ニコだからな!』

オーケー。

「初めまして、篠塚 宏太郎です」


そう言えば、一瞬の間のあとに

「ぁ、初めまして、関村 梢です」

と小さいけれど、よく通る声が発せられた。
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