絶体絶命!死のバトル
苦しそうに話す水川穂乃の表情や声が痛々しい。
どうして、こんな人が首取りなんて…?
余計に、疑問は募っていくばかりで。
「はい…。あたしに、できる事なら。」
深く頷いてみせた。
水川穂乃は、それに安心したのか溜め息をつき、何かを唱えはじめた。
そして…。
アーテと、現実とこの世界を行き来している、白い異空間にそっくりな場所に、まばたきをした間に移動していた。
「高野……。道香ちゃんよね?…翔が…。いえ、アーテが、お世話になってます。もう、彼と私の関係は知っているでしょう。彼の婚約者です。」
そういう彼女…___
水川穂乃の顔は、今にも泣き出しそうで、見ていられなくなるくらい辛そうだあった。
きっと、目に見えていた幸せがぶち壊しになった気分なのだろう。
あたしには、詳しく分からないけど…
でも、一つ確信できる事がある。
水川穂乃は、アーテを愛してる。
深く、深く。
本当に、愛していたんだ。
水川穂乃を見ていると、そういう気がしてならなかった。