絶体絶命!死のバトル
そして、何も話さないまま、ドームに到着した。
いつものように、アーテが扉を出現させ
いつものように、ペンダントに入る。
それがもはや、“当たり前”になっていた。
ドアノブを回し、外に出ると、この季節独特の、寒気を感じる。
…これも、当たり前。
あたしは、もう、首取りゲームがありえないものだと、分からなくなってきている。
…寧ろ……
普通にあるものだと、錯覚している。
いざ、首取りの場面になったら怖いくせに、
まるであべこべだ。
ドームの中に入る。
600人がいて、人が溢れかえっていたドームは、もう60人しかいない。
しんみりとした会場内を、歩いた。
これから、またゲームが始まる。
もう、免除カードはない…____
緊張感が、あたしを支配した。
一歩、そしてまた一歩歩く。
正直、皆と顔を合わせたくない。
あたしは、完全に信頼を失っているのだから。
だけど、明日美だってそう。
明日美も、あたしの味方になってくれた事で、仲間外れにされているかもしれない。
そう思うと、胸がギュッと、締め付けられる様な感覚がした。