絶体絶命!死のバトル

聞きたい事…?

そんなの、五分じゃ足りない。

沢山疑問があって、どらから話せばいいかすら分からないというのに。

「あ…、あなたの名前は?何て呼べば良い?ていうか、敬語使った方が良い?」

これから質問していく上で、名前は知っておいた方が良いだろう。その方が、話も進みやすくなる気がする。

「名前…ですか。道香様のお好きなように呼んで頂いて結構ですし、話し方も今のままで構いません。」


あたしは、うーん、とうなって考えた。
人の名前を、あたしが決めるの?
いや、この人にも名前はあるはずよね?

「あ…名前は、教えてくれないの?」

案内人は、首を横にふった。

それなら、考えるしかない。
名前が無いのは、呼ぶ時に不便だ。

「じゃあー、あなたの好きな色と、好きな国は?」

「え?あ、黒が好きです。国は…特に無いですね…。」

何でいきなり聞くのかと、驚いた表情であたしを見る案内人。

「じゃー、好きな国の言葉もない?イタリア語とか、ラテン語とか。」

「あ…、ラテン語好きです。」

いかにも適当に答えたようだったけど、そこは無視。
名前だけで時間を食ってしまったら、色々情報を聞けなくなってしまう。


「じゃあ、あなたの名前は…アーテ!ラテン語で、アーテルが黒って意味なんだけど、アーテルにしたら、あなたの事、黒!って呼んでるようなものだもの。だから、アーテ、ね。」



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