絶体絶命!死のバトル
「現実世界に存在しないって…。伊織と水川穂乃の事、調べたんじゃねーのかよ?」
「調べたよ?正確に言ったら、‘‘調べた’’っていう記憶を、私と伊織につけたんだけどねー。」
ニコニコと話す明日美。
俺に意味が分かる筈なかった。
明日美が死んでる?
その時点で、もう理解不能。
「このゲームはね。…水川穂乃の呪いなんかじゃ、ないの。私…、犯人を恨んでる。」
…まぁ…、
恨むのが、当然の事なのかもしれない。
だけど、なんか…
明日美が、俺の知ってる明日美とは違っていて。
俺の知ってる明日美は、そういうの、許しそうなんだけど。
「…でも、その犯人は捕まったって道香から聞いて。これじゃ、現世に乗り込んだとしても、復讐なんて、し辛いでしょ?だから…、このゲームで鬱憤晴らしでもしよっかなって思って。」
…は?
鬱憤晴らし、だと?
「…偶然、水川穂乃っていう私と同じような人がいたから、使わせて貰ったの。水川穂乃の中に入り込んで、人を殺したのも私。だから…____あっ!」
…俺は、
明日美を殴った。
軽くだけど、本当にこうしないと気がすまなかった。
「鬱憤晴らしだと!?ふざけんじゃねーよ!俺達の思い、踏みにじってんだぞ?何人の命犠牲にしたと思ってんだよ!」