絶体絶命!死のバトル
ドーム内は、昨日の始まりの時と違う空気に包まれていた。
中にいる人達の行動は、五つ。
参考書を広げて、一生懸命死に物狂いで勉強している人。
これからの事の恐怖に泣いてる人。
今日死ぬかもしれないからと、異性と、淫らな行為を働いている人。
諦めて、お喋りしている人。
一人で、頭を抱えている人。
…でも、皆から感じられる感情。
それは、“恐怖”一色だった。
「あ、道香…。」
明日美から発せられた、小さな声。
若干、涙声だった。
見ると、そこには…
美咲が死んでいた。
首を取られた訳じゃない。
自分で首を吊ったのだ。
周りの人は、気にしていない。
…きっと、自分だけの事でいっぱいいっぱいなんだろう。
「み…美咲…」
呼んでも、何も答えない美咲。
美しい容姿だった美咲の亡骸は、まるで、精巧に作られた人形のようだった。