絶体絶命!死のバトル
「あ…道香!!どうしたの、急に!出かけるなんて!」
お母さん達が、入口で待ち構えていた。
気分が悪い上に、この声は結構頭に響く。
つい、全然悪くないお母さんに対して、「…何も知らないくせに」って、八つ当たりしたくなる。
そうだよ…、
あたしは、なんでこんな事しなくちゃいけないんだろう
なんでこんな思い、しなくちゃいけないんだろう…。
「ごめんなさい…、朝早く目が覚めちゃって、外国の参考書とか欲しいな〜って、本屋さんに行ってたの。」
「まぁ、そうだったの?」と、お母さんがあたしを見つめた。
「うん…ごめんね。今度からは、勝手に行動しないから。それと、心配してくれてありがとう。」
…あたしは、ちっともこんな事思ってない。
だって、お母さん達はいつだって、
“勉強できるあたし”を、自慢の道具として求めて来てた。
きっと、今回も
“自慢の道具”が、いなくなって焦っただけ。
あたしは前に、お母さん達の事、過保護だとか言っていたけど、道具として思われるより、鬱陶しくても、大事な娘を心配する、過保護の方が、100倍マシだと思う。
あたしは、
……誰からも、“人として”必要とされてないのだから。