絶体絶命!死のバトル
「こんにちは、道香様。ご気分はいかがですか?」
アーテが、あたしに笑いかける。
「良いわけないでしょ?…今日もまた、人が死ぬかもしれないんだから。」
…なんて、口では言ってみるけど、実際はそこまで気分は悪くない。
これも、少し慣れてきた証だろうか。
「…そうですね。では、今日聞きたい事は?」
アーテに聞きたい事…。
そういえば、今日は何にも考えてきていなかった。
「うーん、今日はアーテの事聞きたい。地球人かも分からないもの。首取りゲームと同じくらい気になるわ。」
「そうですか?……なら、お話致しましょう。私は、地球人です。簡潔に言えば地球人と異星人のハーフ、ですかね?」
少々笑い交じりに言うアーテだけど…。
85%意味不明。
「ん〜、つまり、異星人と地球人から産まれたって事よね?じゃあ、アーテのご両親は?」
「父は異星人で、母は地球人です。」
「じゃあ、二人はどうやって出会ったの?」
あたしが聞いたこの質問。
思わぬ返答が返ってきた。
「…何も、分からないんですよ…。私が5歳の時…行方不明になっていたんです。」
「え…?」
あたしが、何か聞き返そうとした途端、アーテは「着きました」と、小さく呟いた。
家族の事には、触れられたくないのだろうか。
あたしは、アーテが扉を出現させた事を確認し、目を閉じた。
ペンダントに、アーテが入って、あたしは扉を開ける。
今日も、はじまる。
残酷なゲームが。