絶体絶命!死のバトル
「じゃあ、行って来るね。」
「ばいばい」
あたしは、明日美と部屋へ行く。
やはり中は異様なムードで、兵士の威圧感が半端ない。
「…頑張ろう。」
「うん。きっと、大丈夫。」
あたしと明日美は、目を見合わせて笑った。
そして、椅子に座る。
…机に、血がついてる。
良く見ると、白かった壁も、ところどころ赤くなっている。
…人を殺す事に、抵抗は無いのだろうか。
無くてはならない。
というか、殺してはいけない筈なのに
“負けたら首を取られるのがあたりまえ”
に、なりつつあるあたしの思考回路を、一回止めたい。
シャーペンを持ち、テストを解いていく。
やはり、レベルはあたしにとっては低い…。
10分程で終わらせ、提出。
明日美は、あたしが終わった後から10分程で終わった。
二人で部屋から出る。
明日美の笑顔にも、濁りはない。
きっと、明日美もさほど難しくなかったのだろう。
「じゃあ…」
「行って来るね…」
まるで、付き合いたてのカップルみたいに初々しい二人。
全くと言って良い程、二人の直接的な接点は少なかった為か、チラチラとお互いの顔を見合っては目が合い、二人同時にそらす。
正直、照れた伊織と青斗は可愛い。
こんなこと言ったら、伊織はともかく青斗に殴られそうだ。