絶体絶命!死のバトル
やはり、異様な雰囲気なのは慣れない。
どうも、兵士と普通のテーブルとか、シャーペンじゃ、ミスマッチなのだ。
だが、それ以外にも何か…。
気味の悪い雰囲気がある気がする。
あたしと広也は目を合わせ、椅子に座った。
理科…。
あまり得意な方ではないが、この程度だったら解ける。
スラスラと問題を解いて行き、解答用紙を提出する。
広也もすぐに終わってしまい、あたし達はすぐ終了。
隣を見ると、残り一人。
だが、その一人も提出した。
部屋を出て、待機室に向かう。
「そういえばさ、あれってなんなのかな?命カード?だっけ。名前からしておかしいよね」
「言われてみれば、なんだろうな。…お、青斗達が待ってるぞ〜」
そう言って、あたしの腕を引いて行く広也。
あたしがよたっ、とこけそうになり、体制を戻すと、広也は、
「何やってんだよ〜。大丈夫か?」
悪戯っぽい笑顔で笑った。
…キュンッ
なぜか、一瞬胸が高鳴る。
広也の笑顔を、もっと見たいと思ってしまう。
「大丈…夫」
そして広也は、あたしを置いて、
皆の方へ向かった。
そこで広也に話しかけたのは、明日美。
ズキっと、胸が少し痛む。
…これは、なんなのだろう。
前、本で読んだことがある気がする…
胸が高鳴ったり、相手が異性と話していると、嫉妬する。その気持ちには、色々あるが、大体が…
「…恋」
あたしは、ブンブンと首を横にふる。
恋愛経験が全く無いあたし。
広也が好きだなんて、分からない。
…好きってなんなの?
文章上で表す好き、という心情は、胸が高鳴ったり、嫉妬したりする事かもしれない。
でも、あたしの胸の痛みが嫉妬だとは限らないし、第一、高鳴ったのも一瞬。
…今は、なんともないんだもん。
あたしは、考えるのをやめて、皆のいるところへ向かった。