絶体絶命!死のバトル
「みなさん、集まりましたね。ではまず、命カードの件からお話致しましょう。このカードは…。」
と、ここで司会者が言葉を溜める。
「三枚集めると、首取りを免除する事が可能となります」
…免除……が、可能?
確か、さっきの放送では、三枚目獲得のグループがいた…と言われていた。
この命カードを二枚持っているのは、あたし達のグループのみ。
つまり…。
「三枚目を、獲得した緑チームのリーダー、高野道香さん、免除カードを…取りに来て下さい。」
あたしは、司会者に促され、免除カードとやらを、前にいるスタッフまで取りに行く。
スタッフには、ただ張り付いているだけのような、機械的な笑みしか見えない。
やはり、青斗の言うとおり、スタッフもなにもかも、人間ではないのだろうか。
「そして…勝敗の結果をお知らせします。」
その声を号令として、次々と各チームのリーダーが動き出した。
メンバーは、勝っていますように…と、祈ったり、ただ、じっと前を見据えている人もいたり、様々だ。
だが、共通している事…。
誰も、声を発さない事。
発することが、できないからだ。
あまりの、緊張故に。
あまりの、恐怖故に……。