絶体絶命!死のバトル
「う…ぁあ……。」
伊織と明日美は…、
うめき声しかあげていない。
…首が……
落ちた……
そして、落ちたはずの首は一瞬で無くなり、水川穂乃もいなくなる。
…はずだった。
敗者の首はなくなった。
だけど、水川穂乃は、こっちを見て涙を流している。
さっきまでは、笑ってたのに…?
静まり返るドーム内。
そして…
あたしに迫ってくる。
動こうにも足がすくんで動けない。
迫り来る水川穂乃…
血塗れで、涙を流している。
一歩…また一歩…
まるで、あたしの恐怖心を煽るように…
楽しむように近づいて来る。
そして…。
目の前に来た時。
もう少しで、鼻が当たりそうな位に近づいている。
血が付いた手であたしの腕を掴む。
まだ生温かく、ぬめりとした感覚で、あたしの腕にも血がついているんだ、と見なくても確信した。
そして、水川穂乃が、口を開いた。
微かな声が、辛うじて聞こえる。