花びら1まい


「...............きっつ」


大量の教科書で足元は見えない。
あやつふざけてる。
6クラス分の保健の教科書を1人で4階まで運べと?ありえないありえないありえない。
足元なんか見えやしないよ。


ただいま、2階の踊り場。
半分を少し越したぐらいに位置している。頂上までのチェックポイント1地点だ。(頭の中では某番組の山登り部の音楽が流れている)


「よし、もうちょっと........!」


あと1段で3階!!












..........だと思っていたのに。


「ぎゃっっ!?」


最悪!!もう1段階段あったの?!


ばっさあああああ!!!!


「やっちゃった......」


これまた綺麗に広がったことで。
とりあえず拾わなきゃ。


「あれ、菜花なにやってんの?」


あたしが顔をあげると、そこには神様のような存在がいた。
これは天使が舞い降りてきた!!


「恭弥くん!」


野球部で、早瀬と同じクラスの矢沢恭弥くんが立っていた。これはこれはこれは!!運命の巡り会わせだー!!


「恭弥くん!これ、もってくの手伝って!!」


「はー?!俺そんな重いの持ったら腕折れるわ」


「折れないわ。何部だよ」


「ダサ山ブサ部」


「もう勝手にやってていいよ......」


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