花びら1まい



よっこらせっと。っと立つと、やっぱり重かった。
あーあ。白馬の王子様でも現れないかな。


とぼやいていると急に手元が軽くなった。


「白馬の王子様とうじょーう」


「見えないって。てか腕折れるんじゃないの?」


「はあ?野球部なめんなよ」


なんだ。うそだったんだ。夏の総体近いから、肩壊しちゃったらだめだから言ってるんかと思った。


「恭弥くんも所詮はツンデレなんだね」


「俺はツンデレじゃなくてウラデレなの」


「ウラデレってなにさ」


「表はツンツンしてても裏ではすげーデレてんだよ」


へー。


..........。


「ナンカチョットキモチワル.......」


「よし、じゃあここに教科書置いて帰るか!!」


「ごめんなさいウラデレめちゃくちゃいいと思うよ!」


「よろしい」


やっぱり、恭弥くんはなんだか落ち着くなー。


恭弥くんとは中1の頃一緒のクラスで、男子でも1番仲が良かったんだけど、クラス替えで変わっちゃったんだ。


野球部の中ではピッチャーやってて、すごいうまい!........らしいよ。


結構告白されてるんだって。
こんな性格なのにね。


やっぱり恭弥くんとは話が盛り上がるみたいで、往復10回ぐらいのあいだ、今のクラスはどうだとか、野球はどうだとか、弓道はどうだとかずーっと話していた。
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