花びら1まい


「おーわった!!」


疲れたーー!!
この達成感半端ない!!


「やべー、今日投げらんねーかも」


あたしたちは教室まで戻りながら話していた。


「もうその手には乗らないから。てかそんなの大丈夫だよ!」


「なにがだよ」


「恭弥くんは、こんなことじゃ投げられなくならないよ。
1年生の頃からのことしか知らないけどさ、恭弥くんはずっとずっといっぱい努力してたじゃん!ウラデレだから、みんなの前じゃ言わないくせに」


「.......」


「うちの学校の野球部、目標は全国制覇なんでしょ?
恭弥くんが全国見せてくれるって1年生のとき言ったんじゃん!
だから、恭弥くんはそんなことじゃへこたれないって〜〜!!」


甲子園つれてってやる。的な感じで言われたけど、実際写真撮ってきてやるっていう話しだったんだけどさ!笑


「お前、まだその話覚えてたんだ」


「うん!だって中学校でそんなこと言う人も少ないじゃん!
大丈夫。今もバッチリボイスレコーダーに残ってるから」


「だよな、俺が絶対に....っは?!」


「これは聞き逃しちゃならないと、ちゃんと録音しておいたんだよ?
だから、絶対全国の写真みせてね!」


「...............はぁ」


あ、ため息。


「幸せにげるわー」


「もう逃げた気がする......」


??


「菜花、お前は黙ってろ」


「あ、無理無理。あたし沈黙とかたえられないの」


「だああああっ!!
そういう黙ってろじゃないっつーの」



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