三年目の私たち


温かい……



薄らと開いた瞼の隙間から、やわらかな光が漏れてくる。
いつの間にか眠りこんでいたらしい。



なんだか重苦しく感じて、布団を退けようとしたのに感触が違う。確かめようとして目を開けたら、すぐ前に彼の体が迫ってる。驚きながらも周りを確認した。



横を向いた私の頭の下には彼の腕。
反対の腕がすっぽりと私の体を抱きかかえている。おまけに脚まで絡みついてて身動きが取れない。



解こうと体を動かしたら、余計にぎゅうっと力を込めてくる。



もしかして、起きてるの?



彼の顔を見てやろうと、上げようとする頭を彼が押さえて離してくれない。
まるで私は抱き枕。



「ねえ、離してよ」



と言っても、彼の返事はない。



寝惚けてる?



だったら寝るのを待ってみようと、じっとして彼の様子を窺うことにした。




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