きみのそばに
何年かぶりに開かれた地元の中学の同窓会。
そこで私はひさしぶりに、幼なじみの彼と顔を合わせた。
近所に住んでいるから、通勤や帰宅途中にたまに見かける。
その度に私は、彼に声をかけるかどうか迷う。
けれど迷っているうちにいつも、声をかけるタイミングを失う。
たまに目が合っても、彼は私に軽く会釈するだけで話しかけてこない。
彼は私と関わり合いたくないのかな。
そう思うと怖くて、余計に声をかけられなくなる。
中学生くらいまではよく話してたし、たまに一緒に下校することもあったのに。
いつ頃から彼と疎遠になってしまったんだろう。
彼と最後に話したのがいつなのかもよくわからない。
だから、同窓会が終わって彼に話しかけられたときはびっくりして心臓が止まるかと思った。
「一緒に帰ろ」
彼の言葉に、気持ちが舞い上がった。