★☆限りなく遠い星☆★
「はあー、あたし、なんだか不思議の国に迷い込んだアリスみたいな気がして」
「それって、大昔の話よね?。子供のころ、コンピューターで検索したことがあったわ」

 明るく広いレストランも少しずつ人の数が増え、あちらこちらから賑やかな話し声が聞こえてきた。

ロビンがグラス2つと金色のボトルをトレーにのせて来た。
「メイプルレインボーでございます」
「ありがと、それじゃ夕さんから」
「はい、すいません」

夕のグラスにメイプルレインボーが半分ほど注がれた。

その時だった。グラス全体がピンク色にピカピカ光りだしたのだ。
「わー、ぴかぴか光ってる。すごーい」
夕はびっくりして驚きの声を上げた。

 ロビンはニコニコしながらエツミのグラスにもメイプルレインボーを注いだ。すると今度はエツミのグラスが黄色い光を放ってピカピカ輝きだした。

「すごいですね。まるで魔法を見ているみたい」
夕が感激して言った。

「じゃあ、いただきましょう」
「はい」
「それでは夕さんを歓迎して、乾杯!」
「はい、ありがとうございます」
チーンと心地よい音が手からも伝わってきた。

「おいしいー!」
一口飲んだ夕の口から、また驚嘆の声が上がった。
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