★☆限りなく遠い星☆★
「たしかに、ナオっちの声だったけど」

「どこにいっちゃったのかしら。夕さん、後で探しましょう。それよりこの飛行艇で、ちょっと外に出てみましょう」
「ええ、これに乗れるんですか?すっごーい!」

飛行艇は、宙に浮いたまま二人を待っていた。操縦席には操縦ロボットがすでに座っている。

二人が操縦席のすぐ後ろの席に座ると、操縦ロボットの声がした。

「シートベルトヲ閉メマス」
二人の腰の回りにスルスルッとベルトが伸び、カチッと音をたてて固定された。

「天井ウィンドウヲ閉ジマス」
天井の透明ウィンドウがスーっと音もなく閉じた。

「スタンバイデス」

操縦席の上のディスプレイが明るくなり、前方航路が光のラインでモニタ画面に現れた。
エツミがヘッドセットを頭にのせながら夕に言った。

「あなたもそのヘッドセットを頭にかぶってね。そうそう、それを付けていれば通信の内容がよく分かるわ」
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