★☆限りなく遠い星☆★
新人クルーは誰一人として声を出す者がいない。皆座席シートに沈んだまま、ただボーッとした表情で前方を見つめている。

「WL101に到着した。いま我々はケンタウルス星雲基地から14万光年離れた宇宙空間にいる」
シンジの説明に新人クルーは誰も反応しない。

「しょうがないな、初めてだから無理もないか。回復するまでもう少し待っていてやろう」

他の基地隊員も互いに顔を見合わせてニヤリと笑い、頷いた。

しばらくして新人クルーの一人トムが顔を上げて言った。

「はー、身体が重い。いったいどうなっちゃったんだろう」

「気を失うかと思った・・」とジェイ。

シンジが四人の方を向いて聞いた。

「気分の悪い者はいないか。みんな大丈夫か?」

四人は互いに顔を見合わせ、そして一斉に応えた。
「大丈夫です」

「あははは、元気がいいな。それではもう少し休んだら、2回目の訓練を始めるからな。
では、2時間休憩する。それまでに体力を回復させておくことだ」
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