★☆限りなく遠い星☆★
「オーケー、その意気だ。それでは全員配置につけ」

「はい」

四人がヘッドセットを頭に装着しそれぞれ担当の部署に着くと、シンジは機関コントロールブースの木村に言った。

「誘導蓄熱装置はいいか?」

「はい、いつでもオーケーです」

「よし、それでは誘導蓄熱装置起動!」

「誘導蓄熱装置起動します」

機関コントロールパネルのボタンスイッチが押された。シンジはヒロキの方に向き直って言った。

「君は航宙艇の操縦士候補だな」

「はい、そうです」とヒロキ。

「航宙艇操縦士はクルー全員の命をあずかっている。絶対に失敗は許されない。気を引き締めて訓練に励むことだな」

口調は厳しいが、やさしい目でヒロキを見つめた。

「はい、よろしくお願いします」とヒロキ。

パイロット席にシンジが、その隣のコパイロット(副操縦士)席にヒロキが腰をかけシートベルトをしっかりと締めた。


「いいか、ワープを始める前にUPSで到着地点をセットする。次の地点はWL357だ」

「はい・・・・、到着地点をWL357にセットしました」
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