★☆限りなく遠い星☆★
家を出てから町に着くまで山あいの県道を走ることになる。

しばらく緩やかなカーブの続く道を、タッタッタッタッターとエンジン音を山肌にこだまさせながら走った。

「ちょっと間に合わないかな?よし、近道をしよう」

夕は県道を外れ、デコボコ道の林道に入った。

道は悪いが近道ではある。

バイクはガタガタいいながら、林道を下り始めた。

途中、木々の切れ間から、山のふもとの町並みが見えた。

その向こうに夕が通う美術専門学校の校舎がそびえ立っている。

夕のバイクが沼の岸に沿ったカーブに差しかかった時だった。タイヤが大きな石に乗り上げた。

「きゃー!」

「んにゃー」

チリンチリン。

次の瞬間、夕とナオっちはバイクごと空中に投げ出された。
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