★☆限りなく遠い星☆★
ロビンは注文の料理名を厨房に送信するとテーブルを離れた。エツミはちょっと気になってと前置きをして夕に聞く。

「夕さん、ここでの生活、少しは楽しめたかしら」

 「はい、楽しかったです。珍しいことばかりで、もう・・、」

「よかった。喜んでもらって」

 「でも、アノイ星で湖を見ていたら、なんだか急に日本へ帰りたくなって…」

「そうよねぇ。生まれ育ったところだものね。でも、もうすぐ帰れる」

 「ええ、うれしいです」

 ロビンがメイプルレインボーのビンを持って、三人のグラスに注いだ。

 「ありがとう、ロビン。さあ、旅の無事を祈って乾杯しましょ」

 「はい」

 「それじゃー、乾杯!」

 グラスがチーンと心地よい音をたてる。夕は一気に飲み干して言った。

 「おいしい、最高ですね」

 エツミも飲み干すと付け加えた。

 「食材プランテーションの傑作よ、これは」

 ロビンがメインディッシュをテーブルの上に置いた。ロールキャベツからはまだ湯気が上がっている。三人は会話を交えながら食事を楽しんだ。

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