★☆限りなく遠い星☆★
 航宙艇は低速でパール星を離れると、宇宙空間でスピードを光速に切り替えた。

 「うわーっ、だくさんの星が動いている」
 大樹は感激して大声で叫んだ。

 「そんなに大きな声を出さなくても、分かっているわよ」

 母親もにこにこしながら窓の外を眺めていた。

 「もうすぐ星雲ステイションだね。帰ったらいろいろ友達に話してやらなくっちゃ」
 「あまり自慢話ばかりしちゃだめよ」

 「うん、わかっているよ。でもみんな聞きたがるよ」

 その時、小型航宙艇を操縦していたロボットは頭上の遥か彼方から猛スピードで接近してくる幾つかの隕石に気が付かなかった。急に警報装置から音声が流れ出た。

 「未確認物体接近、未確認物体接近」

 大樹の父がコクピットの窓の外を見たが何も見えない。

 「ん、いったいなんだ?」

 突然、頭上でダダーンと大きな音がして航宙艇はクルクル回転し始め、各所から炎が上がった。

 「ああー」三人は悲鳴をあげた。

 「メーデー、メーデー、メーデー」

 操縦ロボットがタワーステイションに向けて救難信号を何回も送信し続けた。
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