★☆限りなく遠い星☆★
 エツミの話が続く。

 「救助艇が到着したとき、ダイジュのお父さんとお母さんは既に息が絶えていたの。ダイジュは命だけは助かったのね。でも、元の身体に戻ることはできなかった。それでアンドロイドとして生きていくことになったの」

 「かわいそうなんですね、ダイジュさん・・」
  夕の目に涙が光った。

コントロールセンターを出たエツミと夕はカフェテリヤでなにか飲むことにし、入り口から入ってトレーを手にした。エツミはコーヒーを、夕はパインジュースをとって後ろを振り向くと、キャプテンのシンジとジョーの二人が手を振って自分たちのテーブルを指さしている。

「エツミさん、夕さん、こちらへどうぞ」

エツミと夕がシンジたちのテーブルに近づくと、二人は立ち上がって椅子をうしろに引いた。

「エツミさんはこちらへどうぞ」とジョー。

「夕さん、はい、ここの席へ」シンジが夕を座らせた。

 「どうもありがとう」

エツミと夕が腰をかけると、シンジが切り出した。

「今回はちょっと大変な旅になるな」

「ネル星人の領域ってそんなに危険なの?」
< 56 / 83 >

この作品をシェア

pagetop