★☆限りなく遠い星☆★
 各艇のキャプテンからスタンバイの知らせが司令艇のシンジのもとに入る。

「1号艇スタンバイ」
「2号艇スタンバイ」

 3号艇以下6号艇のキャプテンからもスタンバイの連絡が入った。シンジがミカサ長官に報告した。

「長官、全艇準備完了です」

基地管制部からの連絡がシンジのヘッドセット(イヤホーン・マイク)に入った。

「第一誘導路を使用してください」

「ダジャー(了解)」

「光子エンジンスタンバイ」

と機関パイロットがシンジに伝える。シンジがミカサ長官の方を向いてい言った。

「全艇に発進の指示を出します」
「うむ、では、出発!」とミカサ長官。

副操縦士席のヒロキが全艇に向けて出発の信号を発進すると、シンジが機関ミッション・スペシャリストの木村に指示した。

「光子エンジン起動」
「光子エンジン起動します」

 コントロールパネルのスイッチが押され、司令艇は青白い光を後方に発しながらゆっくりと出発ポートから星雲基地の外に出た。

その後をやはり光を発しながら1号艇から6号艇までが続いた。夕とエツミはスクリーンの中の巨大星雲ステーションの姿が少しずつ遠ざかってゆく様子をいつまでも見つめている。

 「アンドロメダを離れるのは久しぶりね。今度はいつ戻れるかしら・・」
 エツミがそれとなく呟いた。

 「こんなにすばらしい光景が見られなくなるなんて、ちょっと寂しい気がします」と夕

約1時間ほど静かな飛行が続くと、やがてすべての航宙艇は一定の間隔をとって静止した。誘導蓄熱装置が起動し、ワープに必要なエネルギーを蓄積するブーンという音だけが響いている。
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