★☆限りなく遠い星☆★
その時、夕のうしろでチリンチリンと鈴の音がした。

「あっ、ナオっち!、いったいどこにいたの?」

「にゃーん」

「おやおや、これが夕君の猫ちゃんか。飛ばされないように、夕君しっかりと抱いていてやりなさい」

「はい。すいません。ご迷惑をおかけしちゃって」

「ナオっち、よかったね。一緒に行けて」

エツミは微笑みながら、ナオっちの頭をなでた。

ワープブースターのエネルギーが1回のワープに必要な量に達するまでの20分間、クルー達は自分のミッションにかかわる項目のチェックをしている。

 コントロールパネルのサインが「熱エネルギー100パーセント」を表示した。いよいよ第一回目のワープ開始だ。ミカサ長官から指示が出された。

「では、1号艇からワープ開始。到達目標MX180。」

 1号艇がワープを開始。ゴーッという轟音と青白い光を残し、その姿が消えた。その後を追うように、2号艇、3号艇、4号艇と各艇が次々にワープを開始した。

「誘導蓄熱装置スタンバイです」

機関ブースの木村がシンジに伝えた。

「では、始めます」

シンジがミカサ長官に言うと、長官は静かに頷いた。
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