★☆限りなく遠い星☆★
  動力部のブーンという音が再びキャビンに響いた。各艇が横一直線になって、ワープエネルギーの蓄積を始める。

  20分後、1号艇から再びワープを開始した。到達目標はMX130。続いて2号艇から4号艇までがワープを開始。青白い光を残して4号艇の姿が消えるのを見届けたシンジは隣のヒロキに言った。

 「チェックは済んだか?」

 「はい、異常ありません」とヒロキ。

 「熱エネルギーは?」

 「はい、もう100パーセントになっています。準備完了です」

 シンジはヘッドセットのマイクを口元によせて木村に命じた。

「ワープブースター起動」

「ワープブースター起動します」

  ゴーッとエンジン音がとどろき、司令艇も青白い光をのこして消えた。ワープが始まると、すべての通信がブラックアウト(無通信)の状態になる。他の艇とは全く連絡がとれない。

 なにかが身体のなかを突き抜けていくような状態が続く。夕は歯を食いしばってそれに耐えた。

「MX130に到着です」とシンジ。

「他の艇は確認できるか?」

ミカサ長官の問いにリンダが答えた。

「はい、1号艇、2号艇、3号艇、4号艇、確認しました。スクリーンに映します」
中央スクリーンに各艇の姿が映し出された。
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