★☆限りなく遠い星☆★
「いま、5号艇と6号艇を確認しました」

 5号艇と6号艇が司令艇の後方に移動して停止すると、ミカサ長官は全艇に告げた。

「クルーのみなさん、ご苦労さま。2回のワープで皆体力を消耗していると思う。各艇のパイロットは自動運航のプログラムに切り替えて、交代で休んでください。次のワープは8時間後に実施する」

「ふーっ、なんかつかれたー」夕がつぶやいた。

「一回ワープをするとね、人間自身も相当なエネルギーを使っているのと同じ状態になるの。ベッドルームへ行って休みましょ。それに食事もとらなくちゃ」
とエツミ。

「ナオっちも連れていっていいですか?」

「ええ、いいわよ。よく眠っているみたいね」

夕はナオっちを抱きかかえると、エツミに連れられてベッドルームに入った。ベッドルームはバストイレ付のコンパートメントになっていた。

ベッドは窓側と壁側にそれぞれ一つずつ立てかけられている。エツミがボタンスイッチを押すと、ベッドがゆっくりと倒れて床の上に固定された。それを見ていた夕。

「すごく便利に作られているんですね」

「そうね。星雲間航宙艇といっても、そんなに大きなものではないから、すべてがコンパクトに作られているわね。さ、ロビンに食事を持ってきてもらいましょ」

エツミはインターホンの前に立ってボタンを押した。

「ロビン、食事を二人分お願い」

夕は抱いていたナオっちをベッドの上におろした。しばらくすると外からポーンと音がし、ロビンが左手にトレーを持ち、右手に宇宙食を入れたケースを持って入ってきた。
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