★☆限りなく遠い星☆★
しばらくして、窓の外の星がゆっくりと後方に流れはじめた。

「長官、NX492に到着です」

「うん、ごくろう」

「3号艇と4号艇を探索します」

「うむ、早く見つけてくれ」

 しばらくレーダースコープの画面を見つめていた監視ミッション・スペシャリストのリンダの声が操縦キャビン内に響き渡った。

「キャプテン、左70度方向を見てください」

 司令艇のはるか左前方に、小さな光が激しく動き回り、赤い閃光が炸裂している。

「3号艇と4号艇が攻撃を受けています。スクリーンを拡大します」

拡大スクリーンに映し出された3号艇を見て、全員が驚愕の声をあげた。

「あーっ、3号艇が燃えている」とエツミ。

3号艇の後方で4号艇が爆発をくり返していた。

「救援に向かう。全員そのまま動かないように」ミカサ長官が命じた。
「発進します」

司令艇は速度をあげて、戦闘現場に急行した。 

急速に接近する司令艇を発見したのか、2機の敵攻撃機が司令艇に向かって来た。

 シンジはマイクを口元に寄せてアンドロイドの迎撃手デビッドに言った。

「デビッド、レーザー銃はいいか」

「はい、準備オーケーです」

その時、監視ミッション・スペシャリストのリンダの声がキャビン内に響いた。

「敵がミサイルを発射しました」

「応射」

 デビッドがレーザー銃の引き金を引いた。コクピットの前方で連続して爆発が起き、モクモクと煙が広がった。

その煙の中を2機の敵機が突き抜け、司令艇めがけて飛来した。

「デビッド、レーザー砲だ」

 デビッドと2人のアンドロイド迎撃手が急いでレーザー砲の照準をその2機に合わせ、発射ボタンを押した。

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