★☆限りなく遠い星☆★

 夕はダイジュのことを思うと、また涙があふれた。

戦争がこんなに悲惨なものだったなんて、夕はこれまで一度も考えたことがなかった。

通信ミッション・スペシャリストのマイクがシンジに伝えた。

「キャプテン、5号艇から連絡です。レオ132に到着したようです」

「6号艇からの連絡は?」

「いま確認しています」

「無事ならいいけど」とエツミ。

「だめだ、確認できません。5号艇からも同じ返事です」

スクリーンには司令艇のはるか後方に5号艇が映し出されていたが、6号艇の姿はなかった。クルー全員が沈黙した。


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