★☆限りなく遠い星☆★
「こちらはペルセウス星雲基地・進入管制です。第2進入航路クリア。そのまま誘導コースにしたがって進入してください」

四隻の航宙艇は、直列に並んで星雲基地の入り口へと向かった。

星雲基地の入口は円筒の開口部になっている。航宙艇は、次々に星雲基地の内部に入った。

 1号艇を先頭に各艇が到着ポートに順次停止したのを確認すると、ミカサ長官が全員に伝えた。

「全員、外に出て整列してください」

ロボットを艇内に残して、全員が到着ポートの広場に整列した。到着ポートでは、基地司令官のジム・クランク以下、数十名の隊員が出迎えた。

「ミカサ長官、ご無事で何よりでした。いろいろご報告をすることがありますが、お疲れでしょうから、まずはこちらへ。私が案内します」

「ありがとう、ジム。大変な犠牲をはらってしまって申し訳ない」

「非常事態ですので、やむを得ないです。どうぞ、こちらへ」

司令官はミカサ長官と四人のキャプテンを司令センターへ案内した。その他のクルーは、基地隊員の案内でそれぞれ割り当てられた部屋でくつろぐことになった。

 司令官室に落ち着くと、ジムはこれまでの経過を細かく報告した。

「地球上の複数の場所で核爆発が起きたのは確かなようですが、まだ、誰が何のためにということが不明のままです」

「そうか、とにかく地球に行ってから調査をしないことには、何も分からないということだな」

「はい、そのようであります」

重苦しい沈黙が流れた。その時、入り口のドアがスーっと開き、一人の男が現れた。

「紹介しましょう。地球防衛大隊から派遣された衛星資源調査官の大田准尉です」

ジムに紹介された大田調査官はミカサ長官に直立不動の姿勢をとり敬礼をした。

ジムが続けた。

「大田調査官は地球への帰還を希望しています。船団のクルーに加えてやってもらえないでしょうか」

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