涙虹
父親は私が小学生の時、私のせいで生活が苦しいと出て行き
母は、シングルマザーになった。

中学に上がるまでは母は優しかったし、
私だって困らせないように努力もした。

でも私が中学に上がると、母の夜出が多くなり
服装も、メイクも派手になっていった。

あんなに優しかった母は、日に日に厳しくなり
ほとんど家にはいなくなった。

そして中2の秋。

家に帰ると寝室に母と私の知らない男が寝ていた。

その瞬間この家に私の居場所はないと中学生ながら思った。
私は走って、家を出ようとした。

でも。

後ろから来た母の隣にいた男に腕を掴まれ逃げられなかった。
その後ろには私を冷ややかな目で見ている母。

その先は…思い出したくない。



今日は過去の事をいろいろ思い出す日だったな、
と思いながら私は自分の部屋に入り、眠りについた。
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