恋愛禁止(ホラー)
「え?」


あたしの言葉に、コーヒーを飲みかけた竜季が手を止めた。


「あたしも最初子供騙しな噂だと思った。先輩たちの意地悪だって。でも……その噂を聞いた後からなの。お風呂での視線を感じるようになったのは……」


「それ……先輩たちの言っている噂が本当っだってことか?」


「わからない……」


あたしは左右に首を振り、テーブルの上の紅茶に視線を落とした。


「できたら、あたしは噂は嘘だって思いたい。でも……」


「でも、なんだよ?」


あたしは膝の腕で拳を握りしめた。
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