恋愛禁止(ホラー)
あたしのことをすごく心配してくれているけれど、きっとこういう話が苦手なんだ。


「それだけじゃないの。ここへ来てすぐのころからお風呂に入ると強い視線を感じるの」


「うそ……」


「本当だよ……」


いろはちゃんはついに言葉をなくし、黙り込んでしまった。


「体中にまとわりつくような視線。最初はチカンとかのぞきかなって思って、竜季に相談したの。だけど外には誰もいなくて……」


「それって、もしかして竜季君が夕飯抜きになった時の?」


そう聞かれ、あたしは小さく頷いた。


「そうだったんだ……」


「黙っててごめん。もし痴漢だったりしたら、女子寮がパニックになっちゃうと思って……」
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