恋愛禁止(ホラー)
「そうだね。ツムギちゃんの判断は正しいと思うよ。それで……その後は?」


促され、あたしは再び口を開いた。


「その後も視線は感じていて。ある日、見てしまったの」


「女の人を……?」


「ううん。それは今日初めて。前見たのは真っ黒な長い髪の毛よ。鏡を覆いつくすように絡みついていて、生き物みたいに動いてた……」


あたしはそう言い自分の体を抱きしめた。


思い出すだけで寒気がする。


どんどん室温が下がって行くような感覚にとらわれる。


「それ、本当なら……大変なことになるよ……」


いろはちゃんが呆然としたように呟く。

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