恋愛禁止(ホラー)
引きこまれる
その日の夜、あたしは軽く夕食をすませるとすぐに部屋に戻ってきていた。


テーブルの上に重たいファイルを取り出し、すぐに続きから目を通し始める。


いつもは貸し出しを行っていない資料だったけれど、今日は竜季と2人で頭をさげて特別に貸してもらったのだ。


だから、明日の放課後には返さなければいけなかった。


なるべく多くの記事に目を通したくて、あたしは文字を指でなぞりながら読み進めていく。


「ツムギちゃん、その資料って学校の?」


夕飯を食べ終えて戻って来たいろはちゃんがそう聞いてくる。


「うん。噂に通じるものが乗っていないかどうか、調べているの」


「そっか……。あたしも手伝おうか?」


「え、いいの?」


あたしは顔を上げる。


「うん。今日はもう宿題もできたし、テレビも面白いものなかったから時間があるの」
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