恋愛禁止(ホラー)
☆☆☆

脱衣所のドアをそっと開けると、そこにはいつもの光景が広がっていた。


明るい蛍光灯、ブルーのお風呂マット、棚に積まれたバスタオル。


ドクドクと早まる心臓を感じながら、あたしはお風呂へ続くドアを開けた。


途端にその中の空気がズッシリと体にのしかかってくるのを感じる。


明らかに今までとは違う。


あたしたちが呪いについて調べて動くにつれて、ソレは鮮明に姿を現しはじめようとしている。


あたしは体に巻いたバスタオルをグッと腕で掴み、ゆっくりと湯船へと体を沈める。


シンと静まり返る浴槽内。


時々天井から滴がおちて、ポチャンポチャンと音を立てる。


それ以外には何も聞こえない空間。
< 166 / 316 >

この作品をシェア

pagetop