恋愛禁止(ホラー)
「あたし、竜季と距離を置くことにしたの」


「へ……!?」


あたしの言葉が以外だったのか、いろはちゃんは一瞬キョトンとした表情を浮かべ、それから目を丸く見開いた。


「ど、どうして!? あんなに仲良しなのに!」


「そうだけど……。あたし、このままじゃあの幽霊に殺されてしまうかもしれない」


笑われる覚悟でそう言ったけれど、いろはちゃんは笑わなかった。


「あの噂のせいで距離をとるの……?」


「うん。それにあれはただの噂じゃない。本物よ」


「そんなこと……」


「そうだね、これはあたしの予想でしかない。だけどもしこれが当たっていたとすれば……この寮で昔殺された人がいる」


あたしはいろはちゃんの言葉を遮り、そう言ったのだった。
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