恋愛禁止(ホラー)
暗いままの脱衣所に入ったとたん、後ろのドアがバンッ! と、音を立てて閉まったのだ。


「キャァ!!」


あたしの悲鳴は寮内の誰にも届かず、空中へと消えて行く。


まるでここだけ異世界になってしまったかのように、すべてのものをとのつながりが途絶えてしまう。


そんな状況下、あたしはすりガラスの向こうに見える人影に気が付いてしまったのだ。


彼女が、いる……。


ドクンドクンと心臓がはねて、息苦しさに包まれる。


「あたしは……一体どうすればいいの……」


震える声であたしは言った。


「あなたを成仏させてあげたいけれど……その方法がわからないのよ!!」
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