恋愛禁止(ホラー)
そして、あたしは真っ直ぐにお風呂場へと向かった。


廊下のギシギシとキシム音がやけに大きく寮内に響く。


あたしは脱衣所の前で立ち止まり、「よし」と、自分に言い聞かせると勢いよくそのドアを開いた。


薄明りの差し込む脱衣所。


お風呂場へ続くドアは換気のために開け放たれていて、特に変わった様子はない。


あたしは恐る恐る風呂場へと足を踏み入れた。


眩しい朝日が差し込んでいて、浴室内を照らし出している。


特に変哲のない浴室の中、あたしはそっと屈みこんであるものを指でつまんだ。


それは鏡を固定しているネジだった。


この1つだけがサビて落ちたものだ。


あたしは鏡へ視線をうつし何もないことを確認すると、お風呂場を出たのだった。
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