恋愛禁止(ホラー)
「……え?」


竜季の表情が一瞬で曇る。


それでも、あたしは笑顔を浮かべていた。


「別れよう、あたしたち」


「ツムギ……本気で言っているのか?」


「もちろん、本気よ」


あたしはそう返事をして、グッと拳を握りしめた。


本当は別れたくない。


ただ怖いだけ。


これ以上付き合い続けることで、呪いがひどくなるのを恐れているだけ。


「どうしても……無理……なのか?」


竜季の声が小さくなる。


「うん」


あたしも、小さな声でそう答えた。
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