恋愛禁止(ホラー)
「別れたくせに、ツムギちゃんに文句を言われる筋合いなんてない!!」


いろはちゃんはそう言い、あたしを睨み付けてくる。


な……に?


いつも穏やかでフワフワとした女の子。


そんないろはちゃんが目を吊り上げ、顔を赤くして怒鳴っている。


これが本当のいろはちゃんなの……?


あたしは唖然としていろはちゃんを見つめる。


「あたしは呪いなんて信じない。そんなもので竜季君を手放したりなんてしない!」


「いろはちゃん……本気で言っているの?」


「当たり前でしょ? あたしってこんなぽっちゃりした容姿だから、異性から好きになってもらったことってないの。


それが竜季君みたいにカッコイイ人と付き合えるなんて夢みたいよ!」


「そりゃぁ竜季はカッコイイけれど、でもねいろはちゃん……」


そう言いかける言葉を、いろはちゃんは遮った。


「あたしの彼氏を呼び捨てにしないで!」
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