恋愛禁止(ホラー)
もう吹っ切れたと思っていた気持ちが、ふつふつとわいてくるのがわかる。


「元気……ないね?」


「……あぁ」


竜季は再び地面に視線を落とした。


彼女が死んだんだ。


元気がなくて当たり前。


気の利いたことがなにも言えないあたしは歯がゆくて、自分の下唇をかんだ。


「なぁツムギ」


「な、なに?」


「どうして、俺とお前は生きているんだろうな」


「え……?」


「どうして、いろはだけ死んだんだろうな」
< 258 / 316 >

この作品をシェア

pagetop