恋愛禁止(ホラー)
☆☆☆

その日、女子寮に戻ってからあたしはすぐに事務室の扉をノックした。


少し待つと最近の騒動で疲れ、無精ひげの生えた伊達先生がドアを開けてくれた。


「先生、聞きたいことがあるんです」


あたしは真っ直ぐに伊達先生を見つめてそう言った。


「柳井……。今少し忙しくてな、後にできないか?」


「今がいいんです。先生!」


ドアを閉めようとする先生の腕を掴み、引き止める。


先生も竜季と同じで目の下にクマを作っている。


しばらく眠れていないのかもしれない。


それでもあたしは、今確認したいことがあった。


ずっとこの寮にいる伊達先生にしかわからないことを……。
< 261 / 316 >

この作品をシェア

pagetop