恋愛禁止(ホラー)
通路の先
そっと足を踏み入れた瞬間、土の香りがあたしの体を包み込んだ。


光を照らしてみても辺りは真っ暗で、下へ伸びる階段は底が見えない。


まるでブラックホールのようで吸い込まれてしまいそうな感覚になる。


「柳井、お前は俺の後ろを歩け」


後ろから先生がそう声をかけてきて、あたしを追いこした。


「先生……」


「生徒の安全を守るのが俺の役目だ」


伊達先生の言葉にあたしは思わず微笑んだ。


「ありがとうございます」


伊達先生のたくましい背中を見つめ、あたしはそう言ったのだった。

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