恋愛禁止(ホラー)
すると、今度は水の流れるような音が聞こえ始めたのだ。


「まさか、この先って……」


あたしはそう呟き、先生を見つめる。


伊達先生もあたしと同じ考えだったのか「そうかもしれないな」とうなづいた。


この壁の向こうはおそらく、男子寮のお風呂だ……。


だけど……。


あたしは携帯電話で周囲を照らし出した。


ここまでずっと周囲を確認しながら歩いていたけれど、2人の遺体みたいなものは見当たらなかった。


皮膚や臓器は腐敗してしまった可能性があるけれど、骨は残っているはずなのに……。


「柳井、今日のところはとりあえず戻るぞ」


伊達先生に促され、あたしは渋々元来た道を戻ったのだった。
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