恋愛禁止(ホラー)
地下通路
あたしと竜季が女子寮の玄関を開けると、そこに伊達先生の姿はなかった。


偶然通りかかった寮生に先生はどこに行ったのかと尋ねると、少し外出していると
返事が来た。


「今がチャンスね」


「あぁ」


あたしと竜季はすぐに問題のお風呂へと向かった。


風呂場の鏡はまだ外れた状態のままで立てかけられている。


あのあと伊達先生は鏡を直さなかったようだ。


けれど、それはあたしたちにとっても好都合だった。


「ここか……」


竜季が地下へ続く階段を見下ろして呟く。


「行こう、竜季」


「あぁ」


あたしたちは携帯電話の光だけを頼りに、暗い階段を下り始めたのだった。
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